【特別企画】カンボジア視察報告④~現役大学生・会社員としての視点で~
【特別企画】カンボジア視察報告④~現役大学生・会社員としての視点で~
2019.06.12
テーマ:ソーシャルワーク
最後は、現役大学生・若手会社員・銀行マン・経営者としての視点による感想をシェア。
橘理事長の総括で、締め括らせていただきます。
◆現役大学生としての視点
南龍二さん(大学2年生)
もっと自分に正直に生きていくことの大切さを、子ども達から学んだ。
視察後、カンボジアの歴史を調べた中で、1980年のベトナム戦争で大量虐殺が起きたということを知っても、自分が生まれる前の事で実感として捉えることが出来なかった。
個人的な問題として、ずっと「本音が話せない」ということに悩んできた。「あっているか?あっていないか?」ばかりが気になり、素の自分がどんどん遠ざかっていくように感じていた。今回の視察で、マンゴースクールの子どもたちが、将来の夢を持って積極的に勉強する姿勢を目の当たりにし、カンボジアの子どもたちの心の豊かさを感じた。
「あっているか?あっていないか?」ではなく、「やりたいか?やりたくないか?」もっと自分に正直に生きていくことの大切さを、子ども達から学んだ。
◆若手会社員としての視点
菅将人さん(入社6年目社員)
当たり前ながら、いかに恵まれているかということを思い出させてくれる場所。
高校生の時に腐りきっていた自分を変えてくれたのは、登山。カンボジアも同様に、多くのことを気付かせてくれた体験となった。半年前から東京で働いているが、毎朝の満員電車では多くの人がイライラし、人を思いやることが出来ないほど、心が貧しくなっているのを感じる。しかし、電車が時刻通りに来て、必要な場所まで運んでくれて、毎日仕事があり、そこに仲間がいて、お客様がいて・・・こういう当たり前ながら、いかに恵まれているかということを思い出させてくれる。そういった体験がカンボジアでも得ることができると感じた。
また、ビジネス面で感じたのは、カンボジアならではの観光資源。大勢が詰めかける観光地ではなく、本当の良さをわかる人がリピートし、まるでドキュメンタリー映画を100年かけて創り上げていくような・・・そんな出発点を考えることで、今回自分が関わった意味があるのかなと感じている。
◆レオ財団に「チャイルドドリーム」を紹介したUBS銀行社員としての視点
西脇進さん
仕組みを創るだけではなく、日頃から中に入り込んでいる姿に感銘。
日本の銀行は、銀行業法により銀行以外の業務が出来ないものの、世界の富裕層は、ドネーションしたり社会貢献するものだという意識が高く、習慣化している。そのため、世界のプライベートバンクには、ドネーションの応えるための部門が存在する。
マークさんや加藤さんの活動を見ながら、想いと行動力がずば抜けている以上に、企業経営と同じである側面を感じた。例えば、今できることから順番にやっていき徐々に拡げていくことや、一つのことをして複数の効果を求めるという点。
そんな中、特に印象に残ったのは、「人を助けることって嬉しいことなんだ!ということを皆に教えたい」という加藤さんの言葉。仕組みを創るだけではなく、情熱をもち、日頃から中に入り込んでいる姿に感銘を受けた。
◆経営者としての視点
中野延市さん(会社経営)
人間は、その時点でもっている解釈能力以上のことは理解できない。様々な立場の人で構成された、視察団の意義は大きい。
政治家・教育者・学生など、様々な視点で捉えることが出来る今回の視察メンバーの構成が素晴らしいと感じた。そして、たくさんの国を見た中で、やっぱりカンボジアだ!と、現地でコツコツと少しずつ積み上げてきた加藤さんの活動にも、改めて感銘を受けた。
経済人として現地で行ったのは、カゴの購入によりドルを使うこと。帰国してからもナチュラルバリューが手掛けるカゴを関係者に贈り、必ずフィードバックしてくれるようにお願いし、商品開発の際の参考になればと考えている。また、加藤さんが今後計画している観光開発についても、支援していきたいと思っている。
◆橘理事長の総括
物事は「人」。全ては、たった一人の想いから生まれる。
想いがあれば、人を巻き込む力を生み、ものすごい力となり得る。
本気になれば、自分自身も幸せになりながら、みんなが幸せで居られる場所を創ることが出来る。
今回の視察に応じてくれたお二人は、それを立証してくれている。
今後の課題として思うのは、ビジネスとして儲けられるようにしていくこと。
お金を儲けるのは、悪いことではない。
儲けたお金を世のため人のために、「生きたお金の使い方」が出来るようになれば良いのである。
そして、財団として帰国後に決めたこと。
それは、少なくとも後5年、毎年カンボジア視察を続けるということ。
現地の様子を実際に見て、体験したことで、1度で終わってはいけないと強く感じている。
色んなバックグラウンドを持つ人が、色んな捉え方をし、それぞれに気付きを得られる・・・
それを、我々レオ財団らしさとして、今後も続けていきたい。