【特別企画】カンボジア視察報告②~受け入れ側としての視察に対する想い~
【特別企画】カンボジア視察報告②~受け入れ側としての視察に対する想い~
2019.06.12 テーマ:ソーシャルワーク
レオ財団、カンボジア視察の企画が始まったのは、実現の約1年前。
5日間の工程のコーディネートを行った「NATURAL VALUE」の加藤南美さんに、
受け入れ側としての、今回の視察に対する想いを伺いました。
皆さんが来て下さった意味というのは、視察の5日間だけで終わるのではなく、ここから先にあると思っています。
「今回視察に来てくれた日本人の皆さんは、忙しいと思いますか?それとも、仕事もなく暇だと思いますか?」
NATURAL VALUEでのミーティングは、常に2択だと言います。
それは、言葉の壁と教育の壁があるから。
そのため、わかりやすく2択で質問をし、子どももスタッフも考えやすい工夫をし、理解を促していらっしゃるそう。
このようにして、視察の前にも後にも、子ども達やカンボジア人スタッフに対し、レオ財団の人達が来てくれる価値を考えるミーティングを行っていたと言います。
日本人がどのような背景で、私たちを応援してくれているのか?
わざわざ4000キロ離れた国から、仕事を休み、家族の理解を得てこの国に来てくれるということに、どれだけ価値があるのか?
こういったことを考える機会を設け、教えることが私たちの役目だと仰る加藤さん。
それには、カンボジアの教育制度が背景にあることを教えて下さいました。
カンボジアの学校には、入学式も卒業式も始業式もなく、体育の授業すらないのだそうです。
そのため、誰かを応援するという心を知らないと指摘します。
日本では教育制度が整っているため、例えば先生の指導のもとでお遊戯をするということを通して協調性を学んだり、青組と決められたら青組を応援するという道徳心が養われています。
一方、カンボジアでは、ギャンブルが絡んだスポーツの応援はあるものの、子どもたち同士が応援し合うということは、教育制度に組み込まれていないのだとか。
教育を根本から変えていくために、子どもたちには色々な機会を創出したい。
という想いから、今回の視察をきっかけに、仲間を心から応援し合う機会となる、運動会を企画したのだそうです。
暑い中ではありましたが、視察メンバー全員が、子どもたちと一緒になり本気で楽しんだ運動会。
加藤さんは仰います。
皆さんが本気で頑張って下さったことが、カンボジアの子どもたちにも大変良い影響があったと。
多くの子ども達が加藤さんをとり囲み、目をキラキラさせながら「次の運動会は、いつやるの?」と、期待に満ち溢れた笑顔で話しかけている光景が浮かびます。
《ナチュラルバリュー/マンゴースクールの様子》
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◆プロフィール (加藤南美さん) NPO法人GLOBE JUNGLE・NATURAL VALUEプロジェクトリーダー。 三重県出身、2011年愛知県の短大を卒業。2011年からカンボジアで活動を始め、2014年NATURAL VALUE設立。 カンボジアの貧困女性に対し、技術を提供し安定した職を提供する自立支援を行っている。 2016年10月に同団体はNPO法人MAKE THE HEAVEN Cambodia Project と合併し、NPO法人 GLOBE JUNGLEを設立。 NPO法人GLOBE JUNGLEは「HAPPYの連鎖」=皆が笑い合い、応援し合う社会の輪のモデル作りを目的に、カンボジアで子どもたちの未来を創るサポートを行う団体。 主に、孤児院支援や学校建設、貧困家族への就労支援を行っている。