株式会社ホロニック 代表取締役 長田 一郎(おさだ いちろう) 様にご講演いただきました。
地域資源を企画するホテル事業の挑戦
株式会社ホロニック 代表取締役 長田 一郎(おさだ いちろう) 様
2019.2.13テーマ:経営
日本一ホテルや旅館の客室数が少ない奈良に、昨年12月にオープンした「セトレならまち」。
その支配人は、入社5年目、27歳の若手女性社員が務め話題となっています。
マネジメント経験の一切ない社員を、ニューオープンホテルの支配人として大抜擢した背景とは?
「やれるか」「やれないか」ではなく、「やりたい」という強い意志を尊重する。
そうお話になる長田社長の経営手法から、単純に若い人のアイディアを取り入れるに留まらない、これから求められる新たな経営視点となるカギを沢山教えていただきました。
創業は、長田社長が31歳の時。
それから20年、一貫して「コミュニティの創造」を輪として人々のライフスタイル環境の充実、感度の向上を目指してこられました。
ブライダル事業・レストラン事業・宴集会事業、そしてホテル運営を通し、
新しいスタイルの「コミュニティ型ホテル」
という領域を切り拓いていらっしゃいます。
長田社長が展開するホテルブランド「セトレ」の特長として挙げていただいた3点からも、「コミュニティの創造」へのこだわりが伺えます。
1.その土地ならではの景観や世界遺産が見える、ロケーションを活かせる場所
2.地域の伝統産業や生産物を取り入れ、地元の方たちとの連携を通して地域の特長を活かし発信する運営
3.単に寝る場所の提供ではなく、共有スペースに工夫を盛り込み、「過ごす」ことに価値を見だしていただける空間創り
「セトレならまち」は、こう言った揺るぎない信念のもとに5軒目としてオープン。
例えば、吉野杉を使った木桶で醸造した日本酒。
国内において、現代でも木桶を使うケースは殆んどないものの、100年物の吉野杉は木桶のためにあるような物だそう。
醸造会社と共に、日本酒に合う食事、食事に合うオリジナルのお酒の開発を共に進めてきたと言います。
単なる地産地消ではなく、地元の人でさえ気付いていなかった魅力を発掘し、新たなストーリーとして発信していく…
静かに、柔らかな物腰でお話になる長田社長の、内に秘めた情熱が伝わってきます。
ホテルを形作る多くの要素を若手支配人に任せ、新たなアイディアを発揮する場となっていますが、安心して若手社員が本領発揮できる背景には、長田社長が長年築き上げてきた「コミュニティの創造」を基にしたホテル開発の基盤や、多くのプロフェッショナルによる万全のサポート体制があってこそ!と感じました。
若手社員の意志を尊重しいきいきと活躍できる企業風土や、地域との融合に徹底的にこだわり、画一的ではないその土地ならではの顔となる地域密着型のホテル運営。
お客様はもちろんのこと、社員の幸せや地域住人の幸せをも考え抜き、真摯に向き合ってこられた長田社長。
これからの時代に求められる、新しい経営の在り方や視点を学ばせていただきました。
既に動き始めている新プロジェクトにも、ご期待下さい!
◆プロフィール 1994年(株)プランドゥーシーに入社し、翌年関西支社 支社長として、ハウスウェディングを数多く手掛ける。 99年(株)ホロニックを設立し、代表取締役に就任。 05年にホテル再生事業として、ホテルセトレ(神戸市垂水区)を開業後、08年に2店舗目のセトレ ハイランドヴィラ姫路(姫路市)。 13年にはセトレ マリーナびわ湖(滋賀・守山市)。15年に九州初出店のセトレ グラバーズハウス長崎(長崎市)を運営している。 セトレグループでは、地域に密着し、人と人、人と地域のつながりを深め、価値に変え、共感の輪を広げる場を提供する「コミュニティホテル」を目指しており、 自社ホテルで培ったノウハウを使った実践的コンサルティングも行っている。
◆株式会社ホロニック