『これからの我々の具体的な活動について』(大人たちの取組み:後編)

『これからの我々の具体的な活動について』(大人たちの取組み:後編)

 

2019.10.16
 
 

平尾 恒明氏

【理事長からの紹介】

クレディ・スイス銀行 日本代表。
2006年にノーベル平和賞を受賞した、ムハマド・ユヌス氏が創設した貧困層に無担保小口融資を行うグラミン銀行のシステムを紹介いただき、フィリピンのパンパンガにレオ支店設立に至ったことからのご縁。
金融を通して富裕層ビジネスを行う一方で、ご自身のリソースの半分を世のため人のためとなる活動に注力されている。

 

【平尾氏の感想と取組み】

ジム・ロジャーズ氏は、外資系金融業界にいる我々にとってとても身近な存在。
日本の投資家からの人気も絶大な理由は、お金儲けが天才的にうまく、世界三大投資家と言われているため。
まだヘッジファンドという言葉が世に生まれていない頃から、ジム氏はヘッジファンドを行っていた。

 

ジム氏の視点は、どの国の経済成長率が一番か?という見方から、言い換えれば、今後の日本の経済成長は見込めないということ。
その上で、日本の若者に対して、スピードをもって経済を活性化させろとメッセージを投げかけていた。

 

今日の学生の皆さんのお話を聴いて、行動することそのものが素晴らしいと感じた。
世の中には考えて悩む人が多いが、ドアの外に出て現地へ出向き、行動を起こすことが重要と捉えている。

 

平尾さん

 

私がやりたいことは、この世の中で様々な境遇で困っている人(社会的弱者)を助ける人をサポートすること。
現在は、貢献心の高い富裕層の方に対し、様々な社会課題を解決するプロジェクトを紹介することで実現している。

 

大事なのは、サステナビリティー(持続可能性)。
ドネーションやボランティア精神に頼ってはいけない。
つまり、経済行為の中で、持続可能にしていく仕組みづくりが求められているということを、若い皆さんに理解しておいていただきたい。

 

最後に、日本に対する課題として感じているのは、平和ボケしていること。
確かにGDPは3位に留まっているものの、アメリカや中国とどんどん差が開いているのも事実。

 

ジム氏は、日本の少子化問題と債務が増え続けていることを指摘していたが、それに加えて、AI・ディープラーニングの出遅れが個人的な致命傷であると感じている。
しかし、製造業に強い日本。AIの出遅れは取り戻すことが出来ないまでも、製造業とのドッキングにより、まだ勝ち目はあると思っている。

 
辻本 加平氏

【辻本氏の感想と取組み】

子ども食堂とNPOを立上げ、貧困の連鎖を断ち切るための活動をしている。

 
最近、若い方と会う機会が多い中で、「サラリーマンがしんどい、辛い、だから辞めたい。
辞めてスッキリしても、自分で生活をしていけないから、どうするか?」そう言った問題に直面している。
沢山の子どもたち、そして大人たちと関わり、何が一番大事やねんということを考えた時に出てきたのは、「突破力」。

 

社会に出て働く時に、突破力さえあれば大概のことはクリアできる。

では、突破力のある子を育てるにはどうしたらいいか?

 

お母さんたちが子ども達にいつまでも「目をかけること」。でも、「手をかけることをどう減らしていくか」。
これがテーマだと感じる。

 

辻本さん

 

そして、子育ての前に、子育てに関わる人が「自分育て」をすることが大切だと思っている。
キーワードは「自分で考えて自分で行動すること」

 
例えば、子どもが「これ、どうしたらいいの?」と聞いてきたとする。
その時に大抵の親は、こうしたらいいよとティーチングをしているが、「君はどう思うの?」と返す、コーチングが子育てには必要。

 

そして、点数の悪いテストを見て「何でこんな成績をとったんか、アカンやないか」という教育が多いが、「この点数を見てどう感じる?」という問いかけ、つまり、本人に考えさせることが重要。
その繰り返しが、自分で考え行動できる、突破力のある子に育てていくと思っている。

 

僕が思うのは、「考え方が人生を創る」ということ。
特に若い方にお伝えしたいのは、以下の3点。
●アイツが悪い、会社が悪い、世の中が悪い・・・本当は、この3倍自分が悪い(自分に原因がある)ということを理解して欲しい。

 

●上手くいかないことは必ずある。その時に、これはチャンスであると捉えること。

 
●成功者には2パターンある。ひとつは、夢をもち叶えた人。もうひとつは、夢などなかったが、目の前のことに一生懸命取り組んできた結果、成功した人。必ずしも、「夢がないから良くない、ということではない」ことを理解しておいて欲しい。

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