一般社団法人セーフティネットリンケージ 代表理事 高原達也(たかはら たつや)様にご講演いただきました。

『みまもりあいプロジェクト』
~日本人の『互助』×ICT連携から生まれる可能性~

(H28年度厚生労働省介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業受託)

 

2019.11.13

 

前職では、ベネッセ保育園1号園の立上げ、雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』の周辺事業など、多くの新規事業開発を手掛けてきた高原さん。

今までにないことを成し遂げようという、社会に対する新たな挑戦とは?

 

国のプラットフォーム化を視野に入れた「互助」の仕組み。

 

阪神大震災から20年。
なぜICT,AIと叫ばれる日本において、ボランティアや現場で活動している人達をサポートする技術が育っていないのか?
ということが、長年疑問だったと言います。

 

そこから、互助とICTを融合させた地域課題を解決する事業として、「みまもりあいプロジェクト」を発足。
このプロジェクトが、10年・20年後、当たり前の世の中になっていることを見越し、厚生労働省のモデル事業を経て、多くの自治体に導入が進んでいます。

 

高原さん1

 

では、「互助」にICT(情報通信技術)が融合されると、どんなイノベーションが起こるのでしょうか?
この技術により、行政に頼らずとも自宅から認知症の高齢者や子どもの捜索願いを発信することが出来、互助で繋がった人たちにより解決することが出来るようになります。
また、その汎用性は高く、落し物探しや生活圏内の情報入手など日常的な利用から緊急時対応・防災対策など命に関わる利用に至るまで、幅広い活用が見込まれています。

 

その仕組みの特徴とは?

 

1つは、水と油の関係である「個人情報」と「互助」の関係を、緊急時にストレスなく機能させる仕組み。
シンプルに個人情報を守りつつ、直接電話ができるようにしただけなのだとか。
フリーダイヤルを使いID10桁で個人情報を保護し、転送技術を使うというもの。
これは日本の大手企業のみならず、アメリカ・ヨーロッパ・中国でも開発されていないものだそうです。
もう1つは、互助の持続性。
互助の基盤がぐらついてはいけないという想いの中、高原さんが判断の基準としたのが「お財布」だそう。
現金を落として交番に届けられる年間総額は、何と160億円。
毎年これほどのお金が交番に届けられているという事実こそが、世界に誇れる国家資源であると仰います。

 

 

その原動力は「優しさとおもいやり」のある国民性。

 

そして、交番への信頼。
この日本人の「互助」の気質があるからこそ、ICTサポートとの融合で、誰もが使える見守りシステムが可能だと確信を得たそうです。

 

高原さん2

 

 

ダウンロードしたその瞬間から、あなたもみまもり隊。


この技術が活かされるためには、沢山の人のダウンロードが必須です。

ポイントもつかずゲーム性もない、ただ人を助けるだけのこのアプリですが、2年間で何と50万ダウンロードを超えたのだそう。
多くの人の善意が繋がり合い、成り立つ見守りあいプロジェクト。
是非、ひとりでも多くの方にお力添えいただければ幸いです。
みまもりあいプロジェクト

 

■略歴
 高原 達也 氏
 ◇ベネッセコーポレーション 主に新規事業立ち上げを中心に携わる
 【携わった主な新規事業】
 ①ベネッセ保育事業開発(公設民営・東京都認証保育園)
 ②「たまご・ひよこクラブ」新規営業開発
 ③「いぬのきもち・ねこのきもち」事業開発
 ④「ウィメンズパーク(育児口コミサイト会員500万人)」新規事業開発
 ◇一般社団法人セーフティネットリンケージ代表理事 (現職)
 2017年4月、互助をICTがサポートする発想で生まれた「みまもりあいプロジェクト」事業開始
 (防災互助システムに発展予定:京都大学防災研究所・京都大学医学部付属病院・京都大学医学系合同チーム共同研究予定)
 ・ICTに関する特許技術を活用。通話時に互いの個人情報を保護を実現
 ・「厚生労働省H28年度介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業受託
 ・「助け合い」をサポートすることを目的とした「みまもりあいアプリ」DL数=現在50万DL
 ・2018年2月、東京大学「空間情報科学センター」×AIGID=アーバンデータチャレンジ【アプリ部門金賞受賞】
 ・2018年2月、12自治体参画オープンガバメント推進協議会【銅賞受賞】
 ・2018年度東京都労働局商店会グランプリ【優秀賞受賞】
 ・2018年度【グッドデザイン賞受賞】
 ・2019年度一般社団法人日本認知症ケア学会 石崎賞受賞
一般社団法人セーフティネットリンケージ(公益社団法人認定申請中)

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