“滅びゆく日本に警鐘” 世界的投資家 ジム・ロジャーズ氏来阪シンポジウム ①ジムからのメッセージ

“滅びゆく日本に警鐘”

①ジムからのメッセージ

 

 

2019年9月15日 13:30~15:30
於:リーガロイヤルホテル大阪「ロイヤルホール」
 
 

様々な分野の第一人者とお金を超える価値を創造することで、真の豊かさとは何かを再定義し、実践の中から国内・世界へと発信するプロジェクトの第一弾。

 

7月16日に新書『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』の上梓に合わせて来日した、世界的投資家 ジム・ロジャーズ氏を迎え、シンポジウムを開催しました。

 

10代・20代の学生や若手起業家から70代の熟年経営者層まで、約250名の幅広い世代の方にご参加いただき、「日本が置かれている現状に危機感をもち、多角的かつ客観的に見直すきっかけになった」「日本人よ考えろ、そして行動せよというジムからのメッセージを強く受け取った」など、多くの方から感想を寄せていただきました。

 

 

このままだと日本の将来世代の破滅という悲劇を招いてしまう

(2019年9月23日「日刊ケイザイ新聞」の記事より抜粋)

 

 

今回、『日本への警告』というタイトルの本を出したが、「そんな警告は要らないよ」と思っている日本人も多いだろう。
だが、変な外国人(私)が日本を批判していると聞いてもらいたくないのだ。
私は衰退の一途を辿る日本の再生を心から願っている。

 

ジム

 

これから簡単な算数で日本が現在、置かれている状況を説明したい。

 

毎日毎日、日本はものすごい勢いで債務を膨らませている。
一方、人口は減少に歯止めがかからない。
債務が増え、人口が減る、簡単な試算だ。

赤ちゃんを増やさなければならないが、残念ながら少子化でそれは望めない。
これを解決するには日本は多くの移民を受け入れなければならないが、
現在は限られた人数しか受け入れていない。

 

一方、北朝鮮は、非常に大きな転換期を迎えている。
現在、大きな問題を抱えているが、大きなフロンティアを拓きつつあるのが同国だ。
朝鮮半島を分断する38度線は早かれ遅かれ解放されるだろう。
それにより、教育水準の高い有能な労働力が提供されるのだ。
しかも、豊富な天然資源もある。

韓国も資金調達する術を多く持っており、産業も非常に発達している。
これからは日本にとって強豪となるのが朝鮮(南北)だ。

 

 

この会場に参加した人の中には小さなお子さんをお持ちかもしれない。
10歳の子どもだとしたら、10年後、天井の届くような債務に対して、減少した人口で借金を返済できるのか。

 

子どもに対し、いろいろな選択肢があってしかるべきだ。
一つは日本を出るということかもしれない。もう時間に余裕はないのだ。

 

私は遠い国の大学で学んだ。
一番大事なことは、自分の国から最も遠い国で勉強したからこそ、
自国を顧みることが出来たということ。
異国に行くことであなた自身や自国のことを深く学べる機会になるのだ。

 

日本は比較的、閉鎖的な社会構造であったにもかかわらず、非常に大きな成功を収めたのは称賛に値するが、今後は開かれた社会にしなければならない。

 

私は15年前から日本にとっての処方箋が、起業家精神(アントレプレナーシップ)を育てることだと提案してきた。
非常に斬新なものの見方ができる起業家たちが日本の変革に貢献してもらえるよう心から願っている。

 

私が述べたこれらを実行するかどうかは、日本人の皆さんが判断することでしかない。
何とか皆さんの力で日本を再生して欲しい。

なぜなら、日本は世界で最も素晴らしい国の一つなのだから。

 
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