【特別企画】東邦レオ株式会社 代表取締役会長 橘氏 × 代表取締役社長 吉川氏(前編)
特別企画『未来を見据えた企業経営のあり方について』(前編)
東邦レオ株式会社 代表取締役会長 橘 俊夫氏 × 東邦レオ株式会社 代表取締役社長 吉川 稔氏
2019.04.17 テーマ:経営
社長就任中、全ての新卒採用に関わってきた橘会長。
父親から受け継いだ大事な会社と、それ以上に大事に関わってきた社員の運命を託したのは、出逢って間もない吉川社長でした。
東邦レオにとって、センセーショナルな社長交代劇から3年。
そこに隠されたそれぞれの想いと、お二人が創り上げようとしている未来とは?
「リーダーにとって何が大切か?それは、何をもって危機意識を持つか?である」
順当に利益を上げ、社員の幸福度も上げ続けてきた橘会長。
しかし、会社の永続性を考えた時、時代が確実に変容してきている今、自身が社長で居続けていてはアカン!と思うようになったと言います。
そのルーツは、橘会長の中学生時代に遡ります。
勉強そのものよりも「様々な能力のある人間を、ひとつの方向に引っ張っていく能力」は、いったいどこで身につけることができるのか?
と、それぞれの強みを発揮するクラスメイトを見ながら漠然と考えていたと言います。
それからと言うもの、
「どんな人間になりたいのか?」
「何のために働くのか?何のために生きるのか?」
「何をもって幸せと感じるのか?」
という自己対話を繰り返し、社会に出る頃には自分なりの答え(信念)をもっていたのだとか。
やがて、自身の経営する会社だけではなく、社会の在りようにも視野は拡がります。
今のままの日本ではアカン!という強い想いから、レオ財団を設立。
政治・教育・ソーシャルワークの分野でイノベーションを推し進める中で辿り着いたのは、
「自分で問題に気付き、問いを投げかけ、それに対して自分なりの答えを創る」力が重要であるということ。
一方、カフェ・カンパニー株式会社の取締役副社長を務め、多忙を極めていた吉川社長。
東邦レオには、顧問としてある事業に関わっていたところ、橘会長との会話の中で、自ら社長就任について名乗り出たのだそうです。
「中小企業に足りないのは、クリエイティブ力。感性をどうビジネス化するか? 利用者の価値をどう具現化するか?」
クール・ジャパンの有識者会議に参加していた折、議論されていたこととして紹介して下さったのは、
「日本では、中小企業の技術力が成長力・競争力を牽引してきた。しかし、中小企業は堅実経営なので財務力はあるが、クリエイティブ力が足りない。そこさえクリアできれば、日本の中小企業はもっともっと世界に貢献出来る!」ということ。
東邦レオにおいては、技術力も財務力もある。
そして、何よりも社員全員が、仕事に対して一生懸命に取り組む姿勢のある、恵まれた企業である。
足りない要素として、利用者にとっての価値による値付けや、ブランドとしてのポジショニングが出来ていないことを指摘。
街や利用者の価値を具現化できさえすれば、もっと伸びるということを、指導するに留まらず、「クリエイティブ力」を自らが発揮することを決意するに至ったそうです。
商品や技術の提供だけではなく、ライフスタイルそのもの、街づくりそのものの提案を含め、商品の価値を高めることを事業の中心に据えて展開。
そのうちの1つの取り組みとして、東京の九段下にある築92年の旧山口萬吉邸を、ビジネスイノベーションの拠点「kudan house」として運用を開始。
短期的な利益を生み出すのではなく、未来を見据えた投資を行い、新しい価値を生む場所・機会としての活用が盛況を博しています。