株式会社グランディーユ 小笠原様にご講演いただきました。

3月11日の月例会・勉強会、お二人目の講師は、株式会社グランディーユ 小笠原 恭子様。『生きづらさ・働きづらさを抱える若者の中間的就労の場―㈱グランディーユの取り組み』について、講演していただきました。

 

グランディーユは、「生きづらさ、働きづらさを抱える、知的・精神障がい者や引きこもり層も、働く場を選べて成長の喜びや居場所のある安定感を得てほしい」という想いのもと、カフェ事業やお弁当事業、障がい者・ひきこもり・ニート支援をおこなっています。このような事業では福祉制度を利用するのが一般的ですが、「積極的な経済活動なくして、個人の成長は期待できない」「福祉制度が方向転換すると事業存続が出来なくなる不安がある」と、事業を法人化。株式会社として運営することで利潤追求にこだわり、福祉制度に頼らない障がい者雇用を実施しており、多くの企業が追随する雇用モデルとなることを目標としています。

 

小笠原さんは、今でこそ、障がい者を支援する事業を展開していますが、それまでは障がいを持った方と関わることはなかったそうです。1977年大阪府堺市生まれ、相愛大学音楽学部器楽専攻を卒業。働きながら料理学校「ル・コルドン・ブルー」で学び、2008年週末のみのフランス菓子教室を開きます。その頃、障がい児支援のNPOからお菓子のレシピの依頼を受けたことをきっかけに障がい者の作業所を見学、「障がい者の賃金はなぜこんなに低いのか」「儲けが出なくていいのか」と疑問を持ちます。その答えを求め、2012年、障害児・者教育の研究のために大阪市立大学大学院 文学研究科教育学専修に入学。同年、大阪障害者センター非常勤講師勤務。2014年3月、知的・精神障がい者の雇用拡充を目的とした、株式会社グランディーユを設立します。

 

主軸のカフェ事業では、2014年7月「メゾン・ド・イリゼ」をオープン、健康にこだわったランチと季節のフルーツが楽しめるスイーツを提供しています。スタッフの育成にも力を入れており、適材適所の仕事を見つけるための話し合いや、内面のゆれに気付くための連絡ノート(交換日記)、安心できる居場所づくりなど、個人の成長を促し、見守る体勢を整えています。

 

「メゾン・ド・イリゼ」のオープンから半年たち、見えてきたことがあります。それは、「健常者も障がい者も、働くことにおいてそれほど大差ない課題を抱えている。」ということ。「自信がない」「自分の居場所を探している」「目標ばかりに目を向けプロセスを作れない」・・・これは、障がい者だけでなく、ニート、引きこもりなど働くことに問題持つ健常者にも当てはまることです。今後は、知的、精神障害者やニートひきこもりの雇用を促進するための活動も進めたい、と小笠原さんは言います。

 

「イリゼ」はフランス語で、「虹色に耀く」という意味。この名前に込められたふたつの想い、「このカフェに来られる方が虹色にキラキラ輝いて欲しい、そしてこのカフェで働くスタッフも虹色にキラキラ輝いて欲しい」。そんな、誰もが輝ける"場"づくりに取り組んでいる小笠原さんを、応援したいと思います。

 

homepage:http://grandeur-jp.com/

 

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